しばらく走り続けると、スマホのバイブ音は消えていた。画面に表示されているマリアの位置情報はまだ病院だった。

「……ハア……ちょっと、待って」

呼吸を整えるように凛太郎が足を止める。俺と三花も肩で息をしながらを立ち止まった。

マリアから逃げることはできたけど、みんなの表情は暗い。おそらく俺と同じで矢野のことを考えてるんだと思う。

「……俺のせいだよな。俺のことを庇ったから矢野は……」

「凛太郎のせいじゃない。そもそも無用心に扉を開けて最初に襲われそうになったのは俺だ。それで凛太郎が野球ボールで……」

「もうやめよう。そんなこと言い出したらキリがないよ。矢野さんだって望んでない」

三花の言葉に、俺と凛太郎は顔を見合わせて黙った。

今俺たちがやるべきことは後悔を数えることじゃない。

矢野が助けてくれた命を無駄にしないためにも前を向いて進むべきだ。

気持ちを切り替えるようにして気になっていたことを凛太郎に聞いてみた。