「私ずっと思ってたんだけど、やっぱり武器は必要だと思う」
バイブ音を聞きながら、矢野がぼそりと言った。
「戦うっていうより友達を守るために私たちも武器を持つべきよ。そうじゃなきゃ、マリアちゃんからは逃げられない気がする」
矢野の言うとおりだ。もう四の五の言ってる場合じゃない。
俺たちは病室にあったハサミや使いかけの注射器を手に持った。今は武器になりそうなものはこれくらいしかない。
病院中を探せばまだ他にもあるかもしれないと別の部屋に移動しようとすると……。
キュッ、キュッ、キュッ。
誰もいないはずの廊下から足音が響いてきた。スマホには俺たちに近づいてくるマリアの点滅が見える。
……き、来た。
「みんな腰を低くして隠れろ! 三花も明かりでバレないようにスマホの画面は閉じるんだ」
「 わ、わかった」
一気に緊張と恐怖が押し寄せてきていた。
ドクン、ドクンと、心臓の音がうるさい。
マリアに見つかったら終わりだ。
どうか、どうか、このまま通りすぎてくれ……!



