人形が人間のように動く理由や、マリアのことを作ったとされるママのことがわかれば、この鬼ごっこの詳細も見えてくる可能性がある。
この町から出る方法がないのなら、この鬼ごっこを自分たちで終わらせる方法を見つければいいんだ!
俺はもう誰も死なせたくない。
「やっぱり永人はすげえな」
「……え?」
「諦めないっていうか、みんなのことを引っ張る強さがある。俺は……全然ダメだ。いつもふざけてたけどメンタルは案外弱くて、こういう時はなんの役にも立たない……」
よく見ると、凛太郎の手が小刻みに震えていた。
鬼ごっこが始まった時には危機感も感じていないように見えたけど、もしかしたらそれは恐怖を隠すための強がりだったのかもしれない。
「凛太郎がいてくれるだけで俺は心強いよ」
もしもひとりだったら、俺はこんなに前向きにはなれなかった。
守りたい友達がいるから頑張れる。
頑張ろうと思える。
そのぐらい友達にはすごい力があるんだって、この鬼ごっこを通して改めて気づかされた。
「俺、永人と友達になれて本当にラッキーだよな」
「はは、大袈裟だよ」
と、その時。静寂に包まれている空間で、スマホが振動し始めた。画面には病院に向かって歩くマリアの位置情報が点滅していた。
スマホが震えたということは、すでに俺たちとマリアの距離は半径100メートル以内になっている。
「な、永人。どうする?」
バイブ音は隣にいる凛太郎にも届いている。
近くにいることはたしかだけど病院に入ってくるとは限らない。ここで外に出て鉢合わせしてしまうことを考えると、今は病院に留まっていたほうがいいかもしれない。
「とりあえず三花と矢野を起こしに行こう!」
「う、うん。そうだな!」
ロビーから病室に向かうと、ふたりは起きていた。
俺のスマホ同様に三花のスマホにもマリア接近の知らせが通知されていた。



