「少しずつ近づいてきてるよ。どうする?」
窓の外はすっかり暗くなっていて、二日目の夜を迎えようとしてる。
この状況下でスマホが使えなくなるのはまずいけど、今から出歩くのはリスクがありすぎる。
「今日は病院で一晩過ごそう。睡眠は交代で取ってスマホは俺のだけを使う。この残量なら気を付けてれば明日まで持つだろうから」
「そうだね。わかった」
まずは女子から寝てもらうことにして、俺と凛太郎はロビーに残ることになった。
……他の人たちは大丈夫だろうか。
電池が減るとわかっていてもスマホから目を離せなくなっていた。
「……なんでこんなことになったんだろうな。俺は毎日バカやって楽しく過ごせればよかったのに」
凛太郎は児玉から返してもらったスマホを見ていた。
熱風に当てられたせいなのかプラスチックのカバーが溶けている。どうやら故障してしまったようで電源は付かなくなっていた。
「これって、まるでなんかの実験みたいだよな……。俺たちだけが町に残されたこともそうだけど、マリアちゃんと鬼ごっこをさせてなにかを確かめてるみたいな感じがする」
……実験、か。
たしかに鬼ごっこの⑧番目のルールに逃げ切った生徒にはとびっきりのいいことがあると書かれていた。
いいことってなんだ?
金?
それとも生き残ったっていう達成感?
なにをもらっても許せるわけがないけど、鬼ごっこのルールがある以上、それを決めた人がいて、逃げ切ったらなにかしらのことをしてくれる人も存在してるということだ。
「マリアちゃんが地下室から出なければよかったのに……」
凛太郎のその言葉にハッと閃いた。
「そうだよ、それだ!」
「へ?」
「マリアのことをなにも知らないと思ってたけど、あの洋館に行けばわかることがあるかもしれない……!」



