「本当にバイブうぜー! これ壊れてるだけじゃねーの?」
菅野は苛立った感情をぶつけるようにスマホを地面に投げつけていた。
「おい、なにしてんだよ! スマホがダメになったらマリアの位置情報が……」
「うるせーよ! 大体お前らが町を出ようって言ったから荒武は死んだんじゃねーか! 責任取れよ!」
いつも温厚なはずの菅野に胸ぐらを掴まれた。こんな顔を見たのは初めてだ。
「ちょっと永人に当たらないでよ! 勝手に付いてきたのはそっちでしょ?」
「は?」
今度は菅野と三花が睨み合っている。
「やめてよ。喧嘩してる場合じゃないって!」
それを矢野が仲裁しようとしてくれたけど、今度は根本が邪魔をしてきた。
こういう時こそ一致団結しなくちゃいけないのにその余裕がない。もうぐちゃぐちゃだ。
そうしてる間にもスマホは振動し続けていて、俺は強く髪の毛を掻いた。
どこだ、どこだ?
マリアはどこにいる?
ぴちゃ……ん。
かすかに水の音が鼓膜に届いた気がした。
ま、まさか……。
とっさに川のほうに目を向けるとバシャンッ!!と水しぶきを上げてマリアが飛び出してきた。
「あははは! みーつけた♪」
「……ひぃっ」
川の近くにいた井上の体にノコギリが刺さる。



