マリアちゃんと鬼ごっこ



マリアの位置情報を確認しながら、俺たちは目的地の陸橋に到着した。

陸橋にはゲートタイプの車止めが設置されていて、歩行者専用になっている。陸橋の長さは約200メートル。とても見晴らしがよくて、監視カメラが隠されている様子もなかった。

「みんなで手繋いで越える?」

「やだー。荒武キモい!」

井上の甲高い声もよく通る。すでに鬼ごっこから解放された気分になっているようで、みんなの顔には笑みが溢れていた。

「じゃあ、俺から行きまーす!」

和やかな雰囲気の中で、凛太郎が元気よく手を挙げた。お調子者だから、ここぞとばかり目立とうと張り切っている。

「いやいや、おいしいところだけ持っていこうとするなよ。俺が一番最初に行く! ここは公平に名前の順ってことで」

凛太郎を押し退けて陸橋を進み始めたのは、荒武だった。意気揚々と奏でている鼻歌がだんだんと小さくなっていく。

そして、陸橋の終わりに差し掛かり、荒武はくるりと俺たちのほうを見た。

「じゃあ、お先に!」 

そう言って足を地面に着けた瞬間に、縦光りのような稲妻が見えた。

「……うう、……っ」

苦しそうな唸り声とともに、荒武の体が小刻みに震えていた。