すでに男子はひとり、女子は三人もマリアの手にかかってしまった。
体力的なことだけではなく、力でも男子より女子のほうが不利だと思う。
相手は小さな子供に見えるけど実際は違う。あんな大きなノコギリを振り回して、ニコニコしながら殺していく。
しかも人間ではなく人形だというのだから、理解しろというほうが難しい。
「私たちこれからどうなるのかな……」
三花がぎゅっと唇を噛んでいた。
簡単に計算しても鬼ごっこはあと100時間以上もある。マリアから逃げなくてはいけない緊迫感と、クラスメイトが減っていく恐怖に耐えられるはずがない。
この状況から脱出する方法はないのか?
なにか、なにか……。
「ねえ、本当に町から出ることはできないのかな。だって塀で囲われてるわけじゃないんだし、隣町に行く方法はいくつもあるでしょ?」
三花の言うとおり、河川敷を渡りきれば、陸橋を越えれば、あるいは線路を辿って歩けば、簡単に町を跨ぐことができる。
メッセージを読み返すと、町以外の場所に逃げてしまった場合はそこで失格と書いてあるけど、そこに具体性も信憑性もない。
もしかしたらこれは俺たちの思考を縛るだけのものであって、町から出ることは可能なのではないかと考えた。
「よし。夜が明けたら試してみよう!」
少しだけ希望の光が見えてきた。その計画を凛太郎に伝えると「オッケー」と、やっぱり返事は軽かった。



