マリアちゃんと鬼ごっこ



区役所は地上五階、地下一階で、この町では一番高い建物だ。

入口付近にあった案内マップを見ると、上から総務企画課、保険年金課、福祉課、戸籍住民課、さらに子育て支援センターと様々な相談窓口があった。

いつもだったら人がたくさん出入りしているであろうこの場所も今は静寂に包まれている。

区役所の自動ドアが開いたということは、電気が通っているということ。俺たちは早速エレベーターを探した。

「あれ、地下には行けないんだね」

エレベーターは動いていたけど、地下までの表示がない。どうやら地下に下りるためには階段を使わなければならないようだ。

「ちょっと調べたい場所があるから、地下から見てもいいか?」

「うん。いいよ」

階段を下りた先にあったのは、重厚(じゅうこう)な扉だった。〝危機管理室〟と書かれた部屋に入ると、すぐにモニター画面が付いている操作卓(そうさたく)があった。

「うお、なにここ! ゲームの指令室みたいじゃん!」

狭い空間で、凛太郎のテンションが上がる。

「指令室じゃない。たぶんここは防災無線を流す場所だ」

区役所に来たのは、ここを確認したかったからでもあった。