「あれ、小さな女の子がいる。迷子かな?」
声がしたと思えば、鉢合わせするように校舎から櫻木と向井が出てきた。
「どうしたの? お母さんは?」
ふたりはすぐに駆け寄って女の子に話しかけている。それと同時に手の中にあったスマホがブッブッと小刻みに震え始めた。
画面には赤色の点滅とともに『鬼・半径100メートル以内』という知らせが通知されている。
先ほど届いたメッセージどおりなら、一カ所に集まってる無数の青色の点滅は俺たちだ。
そして鬼の位置情報である赤色の点滅の近くにある青い点滅は櫻木と向井のこと。
「に、逃げろ……っ!!」
俺はとっさに窓の冊子から身を乗り出して叫んでいた。ふたりよりも先に女の子の水色の瞳がぎょろっと動く。
「みーつけた♪」
甲高い声でそう言ったあと、女の子はノコギリを勢いよく横に振った。
ザッ……ッ。
風を切る音とともに、櫻木と向井の体が切られた。ふたりの体から血ではなく、白い綿のようなものが出ていた。



