マリアちゃんと鬼ごっこ



そこには貯水槽があるだけで他にはないもない。強風が吹いている中で俺と三花は屋上の中央に立った。

「三花。きっとこれが最後だ」

「うん」

「危ないから下がってて」

「私も一緒に……」

「頼む。マリアは俺がやる」

その強い決意に負けるようにして三花が頷いてくれた。

今日まで長かった。その間に二十六人のクラスメイトが死んでしまった。

もう逃げ場はない。

だったら戦う。

マリアを倒してこの鬼ごっこを終わらせてやる!

「ふふ。やっぱりきみが残ったね」

マリアが屋上にやって来た。五日前に比べるとマリアもひどい姿になっている。

それはみんなが戦ってきた証でもある。俺の武器も三花と分け合ったアイスピックしかない。それでも俺は絶対に負けない。

「来い、マリア……!!」

その声を合図にマリアがノコギリを振り回して飛びかかってきた。

俺はそれを制止するように手で押さえる。やっぱり力が強い。アイスピックを縦に持って額に突き刺した。けれど、マリアは表情ひとつ変えなかった。