渡り廊下を出て西棟の廊下を走る。滑り込むようにして給食配膳室に入った。目の前には食缶などを各階に上げる昇降機があった。
ここは突き当たりの部屋だし、マリアが追って来てるから戻ることはできない。だとしたら……。
「これで上に行こう!」
それしか方法はない。まず三花を。続けて凛太郎を昇降機に入れようとすると、無理やり体を押されてた。
「永人が行け。俺がボタンを押す」
「な、なに言ってんだよ!」
「どうせ俺たちだけを逃がすつもりだったんだろ? わかってるぜ、お前の考えてることは」
昇降機のボタンは外にしかない。つまり、誰かがその役目をしなければならない。
凛太郎の言うとおり俺がボタンを押してふたりを上へ行かせるつもりだった。
「どこかな~どこにいるのかな♪︎」
廊下からマリアの声が聞こえていた。
「青山、これ持ってけ。あと一回分しかないけど役に立つかもしれないから」
凛太郎が冷却スプレーを三花に渡していた。
「り、凛太郎、ダメだ。俺がボタンを押すから……!」
「永人。最後くらい俺にカッコつけさせてくれよ」
「……っ」
凛太郎はもう覚悟を決めていた。凛太郎の手がボタンに触れる。
「じゃあな。ふたりとも大好きだぜ」
その瞬間、昇降機の扉が閉まった。俺たちはそのまま三階の給食配膳室に運ばれた。



