マリアちゃんと鬼ごっこ



牧田と保泉が死んだ。マリアに殺されたのではなく、友情の歪みによって。

この鬼ごっこの敵はマリアだけじゃない。

極限の中で人の本質が見えてしまうからこそ、普段からの絆が試される。

牧田たちにはそれが築けていなかった。

保泉の首には痛々しくナイフが刺さったままになっていた。せめて抜いてあげようと近づく。手を伸ばしたところで俺はあることに気づいた。

マリアに切られたわけじゃないのに保泉の傷口から綿が出ている。

もしかして……と牧田のことも見ると、同じように綿が確認できた。

考えてみれば鬼ごっこの説明ではマリアに捕まったら人形にされると書いてあっただけだった。

あのノコギリで切られると人形になってしまうというのは俺の勝手な解釈にすぎない。

実際に牧田たちはマリアに捕まっていなくても人形になっている。

これは一体……どういうことなんだ?

ガシャンッッ!!

と、その時。扉の窓ガラスが割れた。そこから鍵を開けて渡り廊下に入ってきたのはマリアだった。

「あれ~ふたり死んじゃってるね。まあ、いっか。弱い子はいらないもん」

マリアはにやりと瞳を細めている。