ほろ苦彼氏の甘い口づけ

「どうかな?」と感想を聞こうとしたのだが、司の眉毛がピクッと動いたので口を慎んだ。


集中してないと見逃すほどの微々たる変化。
瞬時に気づけるのも、長年の付き合いだからこそ。

正直にと思ったけど、内容までは言わなくても良かったかも……。



「へぇ、そうなんだ。似合ってるよ」

「本当⁉ メイクは、どう?」

「すごく綺麗。服とピッタリ。……これは一発ガツンと言っとかないとな」

「えっ? ちょっ──」



すると、5年前と同じように不意打ちで口を塞がれた。



「……ごめん。理由、もう1個あった」

「何……?」

「…………自制が効かなくなるから」



至近距離で視線が交わる。


顔はデフォルトのまま、瞳だけが異常に燃えている状態。

まさに、目は口ほどに物を言う。
言わずもがな、沢村への激しい嫉妬の感情が表れている。



「……司は乱暴しないでしょ。正当防衛以外で」

「そんなのわからないよ? もし理性が暴走したら、こうやって押さえつけたり、拘束したり……」