ほろ苦彼氏の甘い口づけ

隠れた優しさに胸がじんわり温かくなった。


根も葉もない噂から守るために交際を持ちかけた私と、過激なファンから守るためにキスした司。

正式な告白をせずに付き合ったから、世間では特殊なカップルだと思われそうだけど……。



「だから、また苦い顔されたらどうしようって不安で……って、なにニヤニヤしてるの」

「だって、相思相愛だったんだなぁって思ったら嬉しくて」



傍から見たら恋人っぽくなくても。
お互いを想う気持ちの強さは一緒だったんだ。



「小っ恥ずかしいことを……。言っとくけど、俺、美羽に飽きたこと1度もないからな。昔からずっと美羽しか見えてない」

「私も。昔からずっと、司一筋だよ」



目を合わせて伝えた後、肩に手を置いて口づけをした。



「……やっぱり今日は一段と積極的だな。雰囲気も違うし」

「気づいてたの?」

「さすがに気づくだろ。これも宗星の助言?」

「うん。『華江は清楚系だから、色気を足すならさりげないほうがいいよ』って言われて……」