ほろ苦彼氏の甘い口づけ

真面目な司は、周りの人達の気持ちを考えて行動するタイプ。
なので、基本、外ではほとんどスキンシップを取らない。


相合傘や写真撮影みたいに距離が近くなることはあっても、手を繋いできたり、肩を抱き寄せたりはせず。ただ隣を歩くだけ。


イルミネーション帰りの時も、『外だから』と断っていたし、初めてハグをした時も室内だった。



「……実はあの日、野次馬がいたんだ」

「ええっ⁉ 誰? カミヤマくん?」

「いや、俺の追っかけの人。今だから言うけど……あの人達、美羽の陰口言ってたんだよ」



5年越しに知った新たな事実。


付き合う前、私は他クラスの女子に呼び出されたことがあった。

『新淵くんとどういう関係なの?』って、校舎裏で問い詰められて。
だけど、偶然通りかかった司がすぐ注意してくれたおかげで、大事にならずに済んだ。


お坊っちゃまの沢村とよく2人でいたから、校内で有名だったもんな。



「カミヤマ以上に厄介で、なかなか帰ってくれなくてさ」

「牽制の意味でキスしたの?」

「うん。仲いいところを見せたら諦めてくれるかなと思って」