ほろ苦彼氏の甘い口づけ

「美羽……」

「つ、かさ……っ」



顔を見た瞬間、ホッとしたのか、涙腺が崩壊。拭った意味がなくなってしまった。



「ごめん。大声出して突き飛ばして……怖がらせたよな」

「私こそ。いきなりキスしてごめん……っ」



頬に触れる指先の温かさに、次から次へと涙が溢れ出てくる。


このまま優しさに浸っていたいけど、そろそろ泣き止まなきゃ。
明日はバイトだし、まぶたが腫れていたら心配されるかもしれない。

もう1枚ティッシュをもらい、再度涙を拭き取った。



「怪我してない? どこか痛いとかも、ない?」

「うん。ソファーだったから全然」



無傷だと証明するように笑顔を見せたら、抱きしめられて、「良かった……」と安堵の一言が。

久しぶりのハグに嬉しくなり、自分も彼の背中に腕を回す。



「もう酔いは覚めた?」

「バッチリ! 口調も落ち着いてるでしょ?」

「ええーっ、そうかなぁ。まだ少し高ぶってる気がする」

「本当に大丈夫だって! 呂律も問題ないよ! ぶぐばぐぶぐばぐみぶぶばぐ……」

「ふははっ。早速噛んでるじゃん。なんで間違えたやつ言ったの」