ほろ苦彼氏の甘い口づけ

「坊主がびょうぶに上手に坊主の絵を描いた」

「坊主がびょうぶに上手に坊主の絵を描いた!」



答えるにつれて、文も徐々に長く、難度も上がっていく。

大丈夫。長文は区切るように言えば案外いける。



「ぶぐばぐぶぐばぐみぶぐばぐ。合わせてぶぐばくむぶぐばぐ」

「えっ……ぶぐばぐぶぐばぐみぶぐばぐ、合わせてぶぐばくむぶぶ……ばぐ!」

「……」

「……」

「はい、アウト。休憩でーす」

「いやぁぁぁ! 今のは反則だよぉぉ!」



席を立った司が、半ば強引に私を椅子から引きはがした。



「私が知らないやつを出すなんてっ! ズルいっ!」

「はいはい。完全にキャラが変わってるから休もうね」



抵抗も虚しく、ソファーに連行されて着席。


ダメ。このままお茶を飲んだら魔法がとけてしまう。

やっと軌道に乗り始めたのに……またこの前みたいに努力を水に流したくない。


ブランケットを膝にかけようとする手を止め、立ち上がって正面から抱きついた。



「……ねぇ、今日こそしてよ」