ほろ苦彼氏の甘い口づけ

コップを見間違えたのは同じ色だったから。視界は正常。うねっていない。

来た時と変わらず鮮明で、今も司の眉間にシワが寄っているのがハッキリ確認できる。



「それでも度合いがあるだろ。これはテストしなきゃいけないな」

「テスト⁉ 何の⁉」

「呂律チェック。今から早口言葉言うから、後に続いて。噛んだらアウトな」



鉄仮面で厳しすぎる条件を出してきた。


どうして会話が成立している状態で行うのだろう。

そんなに休憩したいってことは疲れてるの? それなら司だけ休憩すればいいのに。自分の家なんだから気を遣う必要ないでしょ?



「じゃあいくよ。生麦生米生卵」



言い返す隙もなく、テストがスタート。

しょうがない。全問言い切って勝つしかない。



「生麦生米生卵!」

「隣の客はよく柿食う客だ」

「隣の客はよく柿食う客だ!」

「赤巻紙青巻紙黄巻紙」

「赤巻紙青巻紙黄巻紙!」



滑舌よく言葉を並べる彼に、自分も負けじと口を懸命に動かす。

これくらい、まだまだ序の口だ。