「……ごめん」



目を開けると、気まずそうな面持ちで俯いている。


この謝罪に満ちた空気感は……また拒否された感じかな?

そんな……せっかくいい雰囲気になってたのに……。



「ご、ごめん……嫌だった?」

「違う。ドーナツ食べたばかりだから。ほっぺたならいいよ。だけど……」

「だけど……?」

「……したいなら、まずその格好をどうにかして」



問題はこれだよと言うように両肩をトントンと叩かれた。

まさか……。



「制服のままじゃダメなの?」

「当たり前だ。歳が近くても、大人が子どもにキスなんて、家族ならまだしも世間的にアウトだろ」

「そうだけど、中身は大人だから大丈夫だよ! っていうかさっき、ギリいけるって言ってなかった?」

「あれは、中学生と名乗ってもギリギリ通用するって意味で、受け入れられるって意味じゃない」



溜め息をついて、「そっちの意味だったら完全に犯罪者だろ……」と呟いた司。