婚約披露パーティ前日。王女はパーティに参加する。その後、従者やメイドたちと陸路で帰るそうだ。近衛兵が厳重に警備して送り届けることになっている。
「少しなら使えるようになったわね」
「ありがとうございます」
「はぁ~……。何とか間に合ってよかったわ。古傷を癒すのはまだ無理かもしれないけれど、かすり傷くらいなら綺麗に治せるでしょうよ」
結局そのくらいの治癒魔法しか習得出来なかった。鍛錬の方法や文献も借りたので、自分でも練習していけそうだ。
「明日でお別れなんて寂しいわ。あなたのような魔力量多い魔術師はとっても貴重なの!我が国に来てほしいくらいよ!……そうね、貴方も一緒に来ない?転移の力があるのなら、頻繁にこちらにも戻れるし。一緒に魔法研究しましょうよ!」
急に思いついたように提案され、王子も私も固まってしまった。だが、すぐにローズの顔が浮かぶ。彼女と物理的に距離を生むのはもう嫌だ。
「申し訳ございませんが、お断りいたします」
「いい案だと思ったのに。明日も誘うわ。正式に返事を頂戴。一晩よく考えるのね」
簡単には引き下がらない王女の意志の強さに、王子も私も慄いたのだった。
「少しなら使えるようになったわね」
「ありがとうございます」
「はぁ~……。何とか間に合ってよかったわ。古傷を癒すのはまだ無理かもしれないけれど、かすり傷くらいなら綺麗に治せるでしょうよ」
結局そのくらいの治癒魔法しか習得出来なかった。鍛錬の方法や文献も借りたので、自分でも練習していけそうだ。
「明日でお別れなんて寂しいわ。あなたのような魔力量多い魔術師はとっても貴重なの!我が国に来てほしいくらいよ!……そうね、貴方も一緒に来ない?転移の力があるのなら、頻繁にこちらにも戻れるし。一緒に魔法研究しましょうよ!」
急に思いついたように提案され、王子も私も固まってしまった。だが、すぐにローズの顔が浮かぶ。彼女と物理的に距離を生むのはもう嫌だ。
「申し訳ございませんが、お断りいたします」
「いい案だと思ったのに。明日も誘うわ。正式に返事を頂戴。一晩よく考えるのね」
簡単には引き下がらない王女の意志の強さに、王子も私も慄いたのだった。



