「わ、私戻らないと!」
今日はパーティ当日です!お客様が来るまではまだまだ時間がありますが、それでもここでのんびりしているわけにはいきません!だけど帰り方がわからずオロオロとしていると、銀色の髪の毛を靡かせながら、屈強な身体の神々しい方がやってきました。
『ここに居ればよい』
ローズがうれしそうに微笑みながら、頭を下げます。見ると、周りにいたどの妖精も礼をしていました。それを見て、この方が「土の妖精王様」なのだと察しました。私も慌てて淑女の礼をします。
「お、お初にお目にかかります。ローズ・アークライトと申します」
すぐに顔をあげるよう言ってくださり、周りの妖精たちはどこかへ飛んでいきました。楽しそうな声がまた響き渡ります。
『我はアース。そなたがいつも花の世話をしていることは見ている。礼を言う』
「デイジーや他の妖精さんが色々と教えてくれるおかげです。こちらこそ、素敵なお花をいつもありがとうございます」
『妖精界へよく来た。ここで暮らすとよい。花も喜ぶ』
「いいえアース様、私は人間です。元居た世界に帰らねばなりません。突然いなくなれば、皆驚くと、思います……」
ウィルが悲しんでくださるかは、分からないけれど。



