訳アリ令嬢ですが、憧れの公爵様に溺愛されています!

 お兄様が私に会いに来たということは、何かお話があるはずですが、一向に本題に入りません。

「ところでお兄様、今日のご用件は?」

 尋ねると、お兄様は気まずそうなお顔になりました。言いにくい話題なのでしょうか。嫌な予感が胸をよぎりました。

「あーうん。どう言えばいいか……まぁ、今ウィルは大変だからな。お前もあまり気にするなよ」
「どういうことですか?」
「やっぱりウィルは何も話していないのか……」

 どうやらウィルの状況を知っているお兄様が、事情を知らない私の為に伝えに来てくれたようです。私も、ウィルの態度が変わってしまったことも含めて、気になっていました。