『柊は柚葉のこと、本気なんだな…でも、俺が柚葉と仲良く出来るかはまだわからないな』


『お前なぁ…』


僕は、苦笑いした。


『柊は昔からめちゃくちゃ人気あって、すごくモテてたけど、いよいよ結婚するんだな…不思議な感覚だな、兄弟が結婚するって』


『…めちゃくちゃモテるのは樹だろ。僕は普通だよ』


クールでオシャレな樹の周りには、いつも女の子達がいたな…


ただ、樹は、本気の恋愛が出来ないって…いつも悩んでた。


アメリカでも、特定の彼女は出来なかったらしいし。


『普通じゃないだろ…柊なら選び放題なのに、なんで柚葉なんだ?』


樹がソファに座りながら、前のめりになって質問してきた。


『柚葉に初めて会ったのは、面接の日だ。顔も可愛いし、笑顔が良くって。面接で言った言葉も彼女らしくて好感が持てたんだ』


あの日、柚葉はすごく緊張してた。


過呼吸になりそうなくらい…


それでも、一生懸命会社への思いを語ってくれて…