背中から伝わるコンクリートの冷たさが

 後悔で膨れ上がる私の心を、冷やしていく。




 こんなはずじゃなかったんです。


 初めて参加した、千柳様との握手会。

 本当は、もっと違うことを
 伝えたかったんです。




 そっけない態度をとってしまって、
 千柳様に嫌われてないかな?





 私はコンクリートの冷たさで
 心の痛みをごまかしたくて。

 ファンの子達が帰った後も
 しばらく、ここから動けずにいた。