☆雪那side☆


 フフフ。


 早起きして、慣れない料理を作って。
 眠たくなっちゃったのかな?




 広いキッチンの中央にある
 大理石の作業台。


 千柳様は座った状態で
 作業台に腕を乗せ、眠っている。




 長いまつ毛。

 千柳様って、寝顔まで王子様みたい。



 触れたくて。
 千柳様の温度を感じたくて。

 そっと、千柳様の頬に手を置いた。




 私のために朝ごはんを作ってくれて、
 ありがとうございます。


 ご主人様に
 料理を作っていただける日が来るなんて、
 夢みたいです。




 この感謝の気持ちが、
 手の平から千柳様の頬を伝って
 心に届けばいいのに。


 そんな思いを込め
 寝ている千柳様に微笑むと。


 千柳様を起こさないように、
 私は頬から手を離した。