忘れていたとばかりの反応を返されて、つい拗ねた風に言ってしまう。
「……俺にはくれないのか? その焼き菓子は」
「へっ? い、いえ、きっとお口に合わないと思いますわ」
「だが、親しい友人なら食べさせてくれるのだろう? それとも俺では友人として不足だろうか……」
しゅんとうなだれて見せると、エステリーゼは慌てたように、身振り手振りを交えて必死に説明してくる。
「わたくしが作ったものは素人の趣味です。ひょっとしたら体調を崩すかもしれませんし、ヴァージル公爵家の料理人の味に慣れているジュードに食べさせるなんてとんでもないです。どうかわかってください」
懇願するように言われ、俺は口を真一文字に結んだ。
俺は名ばかりの友人になるつもりはない。たとえ義理のように始まった関係でも、俺はエステリーゼとは気兼ねなく話せる友人関係になりたい。
対等な友人として、俺は本音を素直に口にした。
「俺は君が作ったものが食べたい。どんな一流シェフよりも、君の手作りのほうが魅力的だ」
「……っ……わ、わかりました! 今度はジュードにも作りますから!」
「……本当か?」
「だ、だから、そんな泣きそうな顔をしないでくださいませ」
エステリーゼは根負けしたように、そう付け足した。
◆◇◆
「……俺にはくれないのか? その焼き菓子は」
「へっ? い、いえ、きっとお口に合わないと思いますわ」
「だが、親しい友人なら食べさせてくれるのだろう? それとも俺では友人として不足だろうか……」
しゅんとうなだれて見せると、エステリーゼは慌てたように、身振り手振りを交えて必死に説明してくる。
「わたくしが作ったものは素人の趣味です。ひょっとしたら体調を崩すかもしれませんし、ヴァージル公爵家の料理人の味に慣れているジュードに食べさせるなんてとんでもないです。どうかわかってください」
懇願するように言われ、俺は口を真一文字に結んだ。
俺は名ばかりの友人になるつもりはない。たとえ義理のように始まった関係でも、俺はエステリーゼとは気兼ねなく話せる友人関係になりたい。
対等な友人として、俺は本音を素直に口にした。
「俺は君が作ったものが食べたい。どんな一流シェフよりも、君の手作りのほうが魅力的だ」
「……っ……わ、わかりました! 今度はジュードにも作りますから!」
「……本当か?」
「だ、だから、そんな泣きそうな顔をしないでくださいませ」
エステリーゼは根負けしたように、そう付け足した。
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