店員とキールに微笑ましく見守られる中での花選びは正直いたたまれなかったが、エステリーゼの喜ぶ顔を見たくて耐え抜いた。
「あの園遊会の日、草陰に身を隠す君を見て守りたいと思った。怖がらせたいわけじゃないんだ。ただ、話がしたい」
「…………確か、他のご令嬢を見初められた、と父から伺いましたが」
「それは君のことだ」
「…………」
真顔になるエステリーゼは今、どういった考えを巡らせているのだろう。
わからないからこそ、知りたい。
今までは異性の心に興味などなかったが、これからは知る努力をしたい。そして俺のことも興味を持ってもらいたい。
エステリーゼはしばし悩む素振りを見せつつも、俺の目を見てきっぱりと告げた。
「…………婚約はしませんよ?」
「ぐっ。それは……追々考える。今は友人で構わない。だから、俺から逃げないでくれ」
毎回逃げられては仲を深めるなんて到底無理だ。
キールにも散々忠告されたばかりじゃないか。この際、婚約は二の次だ。
その必死な思いが伝わったのか、エステリーゼは手元のチューリップの花束と俺を見比べ、小さく笑みを見せた。
「ふ……ふふっ」
「何がおかしい?」
笑われるようなことはしていないはずだ。けれど、彼女の嫌がることをしてしまったかと危惧して心臓がドキリと跳ねた。
裁判の判決を待つような心地で、彼女の言葉を待つ。
「あの園遊会の日、草陰に身を隠す君を見て守りたいと思った。怖がらせたいわけじゃないんだ。ただ、話がしたい」
「…………確か、他のご令嬢を見初められた、と父から伺いましたが」
「それは君のことだ」
「…………」
真顔になるエステリーゼは今、どういった考えを巡らせているのだろう。
わからないからこそ、知りたい。
今までは異性の心に興味などなかったが、これからは知る努力をしたい。そして俺のことも興味を持ってもらいたい。
エステリーゼはしばし悩む素振りを見せつつも、俺の目を見てきっぱりと告げた。
「…………婚約はしませんよ?」
「ぐっ。それは……追々考える。今は友人で構わない。だから、俺から逃げないでくれ」
毎回逃げられては仲を深めるなんて到底無理だ。
キールにも散々忠告されたばかりじゃないか。この際、婚約は二の次だ。
その必死な思いが伝わったのか、エステリーゼは手元のチューリップの花束と俺を見比べ、小さく笑みを見せた。
「ふ……ふふっ」
「何がおかしい?」
笑われるようなことはしていないはずだ。けれど、彼女の嫌がることをしてしまったかと危惧して心臓がドキリと跳ねた。
裁判の判決を待つような心地で、彼女の言葉を待つ。



