俺の手を振り払い、エステリーゼは脱兎のごとく逃げだした。いつになく逃げ足が速いせいで、すぐに彼女の姿も見えなくなる。
周囲は静けさを取り戻し、俺だけがその場に取り残される。
悲しいことに逃げられるのはもう慣れてしまったが、どうも釈然としない。なぜなら、今日の彼女の反応には少なからず手応えがあったから。
これまで友人という立場で接してきたからわかる。
当初は警戒されていたが、今では俺のことも憎からず思ってくれていることを。
(それなのに……どうして求婚を受け入れてくれないんだ?)
何に怯えているのかわからないが、求婚の話をするとエステリーゼは我に返ったように顔をしかめ、絶対に首を縦に振らない。
あともう一押しだと思うのだが、エステリーゼの心は難攻不落の城のように守りが堅い。
まるで鋼のような強情さに、俺は焦れる日々を過ごしている。
(くっ……一体どこに行ったんだ!?)
息を切らしながら、卒業した学び舎の中を必死に探す。
彼女の性格からして静かなところに逃げ込んだはず。放課後に人気が少ない場所を思い出し、中庭に向かった。
俺の予測は当たっていたようで、奥に植えてある木の横にエステリーゼの姿を見つけた。
「エステリーゼ……」
名を呼ぶと、これ以上になく鋭い眼差しが向けられた。
周囲は静けさを取り戻し、俺だけがその場に取り残される。
悲しいことに逃げられるのはもう慣れてしまったが、どうも釈然としない。なぜなら、今日の彼女の反応には少なからず手応えがあったから。
これまで友人という立場で接してきたからわかる。
当初は警戒されていたが、今では俺のことも憎からず思ってくれていることを。
(それなのに……どうして求婚を受け入れてくれないんだ?)
何に怯えているのかわからないが、求婚の話をするとエステリーゼは我に返ったように顔をしかめ、絶対に首を縦に振らない。
あともう一押しだと思うのだが、エステリーゼの心は難攻不落の城のように守りが堅い。
まるで鋼のような強情さに、俺は焦れる日々を過ごしている。
(くっ……一体どこに行ったんだ!?)
息を切らしながら、卒業した学び舎の中を必死に探す。
彼女の性格からして静かなところに逃げ込んだはず。放課後に人気が少ない場所を思い出し、中庭に向かった。
俺の予測は当たっていたようで、奥に植えてある木の横にエステリーゼの姿を見つけた。
「エステリーゼ……」
名を呼ぶと、これ以上になく鋭い眼差しが向けられた。



