なぜかわからないが、彼女は他の女性避けとして俺が婚約を申し込んでいると思い込んでいる節がある。俺が結婚相手として望むのは彼女だけだというのに。
そもそも、この誤解が簡単に解けていれば、こんなに頭を悩ませていない。
婚約を再三申し込むのも逆効果だと思って自重していたが、そろそろ攻勢に転じる頃合いかもしれない。
「……そんなことをせずとも、公爵家から圧力をかければ婚約ぐらいできるだろう。だが、その方法はまだ反対なのだな?」
「無論です。権力によって彼女を得る方法では、心までは手に入りませんから」
「一方的な愛だけでは満足しないということか……」
「俺は形だけの夫婦になるつもりはありません。愛し愛される夫婦になりたい。彼女にはずっと誠実であり続けたい。だから公爵家の力を借りるつもりはありません」
最後の悪あがきとわかっていても、俺は彼女だけはどうしても諦めたくない。
とはいえ、貴族として生まれた以上、初恋に期限があるのも知っている。
俺ではエステリーゼの心は射止められない。それならば、そろそろ他の女性に目を向けるべきだ。社交界で生き抜いていくならば、しかるべき家格の娘を伴侶に迎えなければならない。
父上がそうであったように。
だが、絶望に沈む俺の耳に届いたのは応援の言葉だった。
そもそも、この誤解が簡単に解けていれば、こんなに頭を悩ませていない。
婚約を再三申し込むのも逆効果だと思って自重していたが、そろそろ攻勢に転じる頃合いかもしれない。
「……そんなことをせずとも、公爵家から圧力をかければ婚約ぐらいできるだろう。だが、その方法はまだ反対なのだな?」
「無論です。権力によって彼女を得る方法では、心までは手に入りませんから」
「一方的な愛だけでは満足しないということか……」
「俺は形だけの夫婦になるつもりはありません。愛し愛される夫婦になりたい。彼女にはずっと誠実であり続けたい。だから公爵家の力を借りるつもりはありません」
最後の悪あがきとわかっていても、俺は彼女だけはどうしても諦めたくない。
とはいえ、貴族として生まれた以上、初恋に期限があるのも知っている。
俺ではエステリーゼの心は射止められない。それならば、そろそろ他の女性に目を向けるべきだ。社交界で生き抜いていくならば、しかるべき家格の娘を伴侶に迎えなければならない。
父上がそうであったように。
だが、絶望に沈む俺の耳に届いたのは応援の言葉だった。



