まるで手慣れているような落ち着きぶりに、俺は内心首を傾げていた。
(妙だな……。まるで初めてではないような感じだ……)
だが、今日は彼女のデビュタントで間違いない。もともとエステリーゼは時折、どこか達観しているときがあった。今回も事前に脳内でシミュレーションしていたのかもしれない。
もしくは伯爵家のマナー教育がよかったのだろう。
他の男からのダンスも笑顔で承諾し、何の迷いもなく、ダンスの輪に入っていく。
俺以外の男に向ける微笑みを見ていられなくて、俺は壁際に移動して嘆息した。
(エステリーゼは俺の婚約者ではないのだから、このぐらいのことで嫉妬していたらキリがない……)
頭では割り切っていたつもりなのに、いざその場面を目にすると頭がどうにかなりそうだった。醜い嫉妬は身を滅ぼす。己の心を律してこそ、立派な紳士であるというのに。
「…………」
エステリーゼに声をかけるタイミングを完全に失ったまま、気づけば俺は令嬢たちに取り囲まれていた。
仕方なく令嬢たちの猛アピールに気づかないふりをして笑顔で応じ、そつなく彼女たちのいつもと違うポイントを見つけて褒める。些細な変化を気づいてもらえた令嬢は皆、ぽっと顔を赤くしていく。
(妙だな……。まるで初めてではないような感じだ……)
だが、今日は彼女のデビュタントで間違いない。もともとエステリーゼは時折、どこか達観しているときがあった。今回も事前に脳内でシミュレーションしていたのかもしれない。
もしくは伯爵家のマナー教育がよかったのだろう。
他の男からのダンスも笑顔で承諾し、何の迷いもなく、ダンスの輪に入っていく。
俺以外の男に向ける微笑みを見ていられなくて、俺は壁際に移動して嘆息した。
(エステリーゼは俺の婚約者ではないのだから、このぐらいのことで嫉妬していたらキリがない……)
頭では割り切っていたつもりなのに、いざその場面を目にすると頭がどうにかなりそうだった。醜い嫉妬は身を滅ぼす。己の心を律してこそ、立派な紳士であるというのに。
「…………」
エステリーゼに声をかけるタイミングを完全に失ったまま、気づけば俺は令嬢たちに取り囲まれていた。
仕方なく令嬢たちの猛アピールに気づかないふりをして笑顔で応じ、そつなく彼女たちのいつもと違うポイントを見つけて褒める。些細な変化を気づいてもらえた令嬢は皆、ぽっと顔を赤くしていく。



