水を差すような言葉に反論する気もなく、俺はしなびた野菜のようにうつむく。
すると、しばらく沈黙を貫いていたルカが壁際にいた俺の横に並ぶ。
舞踏会のワルツで多くの男女がくるくるとターンを決めながら会場内を移動していくのを横目にルカが確認をする。
「つまり、エステリーゼ嬢に言い寄ってくる男を遠ざけたいってことだな?」
「……ああ。そうだ」
「なら、お前が婚約者に名乗り出ればいいじゃないか。それが一番手っ取り早い。筆頭公爵家であるお前の婚約者に手を出すような奴はいないんだから」
ルカの言い分は最も合理的だ。
けれども、それができていれば苦労はしていない。
俺は抑揚のない声で返事をする。
「…………婚約は無理なんだ」
「無理? 何か事情があるということか」
「俺は友人の座は手に入れたが、婚約者には不適格なんだ。第一、彼女は誰とも結婚自体を望んでいない。そんな彼女に未来の公爵夫人なんて重荷でしかない」
実は今まで、頃合いを見て友人以上の関係になろうと試みたことはある。
しかしながら結果は惨敗だった。
彼女は結婚に憧れがなく、できることならば独り身を貫きたいと言っていた。俺とエステリーゼは友人だ。ならば、彼女の考えは最大限に配慮したい。
「ふーん。現状、婚約は避けられていると。じゃあ、お前が取るべき選択肢は決まってる」
「……なんだ?」
すると、しばらく沈黙を貫いていたルカが壁際にいた俺の横に並ぶ。
舞踏会のワルツで多くの男女がくるくるとターンを決めながら会場内を移動していくのを横目にルカが確認をする。
「つまり、エステリーゼ嬢に言い寄ってくる男を遠ざけたいってことだな?」
「……ああ。そうだ」
「なら、お前が婚約者に名乗り出ればいいじゃないか。それが一番手っ取り早い。筆頭公爵家であるお前の婚約者に手を出すような奴はいないんだから」
ルカの言い分は最も合理的だ。
けれども、それができていれば苦労はしていない。
俺は抑揚のない声で返事をする。
「…………婚約は無理なんだ」
「無理? 何か事情があるということか」
「俺は友人の座は手に入れたが、婚約者には不適格なんだ。第一、彼女は誰とも結婚自体を望んでいない。そんな彼女に未来の公爵夫人なんて重荷でしかない」
実は今まで、頃合いを見て友人以上の関係になろうと試みたことはある。
しかしながら結果は惨敗だった。
彼女は結婚に憧れがなく、できることならば独り身を貫きたいと言っていた。俺とエステリーゼは友人だ。ならば、彼女の考えは最大限に配慮したい。
「ふーん。現状、婚約は避けられていると。じゃあ、お前が取るべき選択肢は決まってる」
「……なんだ?」



