嫌な予感が確信へと変わり始める。
私はとりあえず何とかこの状況の改善を図る為に私を後ろから抱き締めているレオを振り解こうとした。


「…っ」


だが、それも叶わなかった。
力が入らない。体が燃えるように熱い。


「…この媚薬には俺の魔術の全てを込めた。どんな媚薬よりもよく効くだろう?」

「…は?」


後ろから耳元でレオが言った事実に私は衝撃で固まる。


嘘だ。嘘だと言ってくれ。
私は今レオの全力の魔術が込められた媚薬を飲まされているのか?媚薬の可能性は頭にあったが、レオのものだとは思っていなかった。

レオのものならきっと普通のものよりも何倍も効力がある。


もうこんなことはしない。
早く止めさせないと。


「…れお、げ、どく、して」

「何故?エマが望んだことだろう?」


上手く動かない口でレオに解毒するように何とか伝える。
だが、私の耳元に届いたのは私の願いを受け入れるものではなく、おかしそうに笑いながら私に問うレオの甘い囁き声だった。
そしてレオは私の首筋に唇を落とした。


「…あっ!」


リアムに唇をなぞられた時よりも強い刺激が私を襲い私は思わず大きな声をあげる。
するとレオは「…気持ちいいだろう?」と小声で囁き、私の首筋を今度は舐めた。

吐息さえも今の私には甘い刺激となる。
どんなに我慢しても甘い声が私の唇から漏れ出る。