「え、えーっと…」


その勢いに押されて私は困ったように笑顔を浮かべながらも今思っていることを話し始める。


「恋人たちは私のことを恨んでいます。私の気持ちは自分のことなんですけどよくわからないんです。所詮夢だからと私は男たちを侍らすことを全力で楽しんでいます。しかも夢の私は現実の私とは性格が全然違ってそれもうふしだらで傲慢で気が強すぎるんです」

「あら〜。確かにそれは正反対の性格ね。見た目はまさにふしだらで傲慢で気が強い感じがするんだけど」

「カオリさん!失礼ですよ!」

「嘘ついても仕方ないでしょー。その見た目で何人の男が泣いてきたことか」


冗談っぽく笑うカオリさんに怒ってみたがカオリさんは特に気にする様子はない。私も流れ的に怒っただけで別に言われ慣れていることなので特に何も思わなかった。

この遊び慣れていそうな見た目が悪いのだ。例え美女だったとしても。


「でも本当に恋人たちはアナタを恨んでいるの?そう言われた?」

「恨んでいますよ。言われたことはないですけど軟禁して愛を強要させているんですよ?恨まない方がおかしくないですか?」

「んー。でもエマちゃんの話的にはその恨みが見えないって言うか」

「私の夢ですよ?その辺はきっといい感じになっているんです」

「そう」


首を傾げているカオリさんの言葉を私はバッサリと否定する。カオリさんはそんな私の言葉を聞いてもどこか引っかかっているような表情を浮かべて何かを考え始めた。

夢の話なのに何故そんなにも真剣に考えているのだろうか。