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「えー!それがエマちゃんの綺麗になった秘密だったの!?」

「秘密って…。まあ、そうなんですよ」

「すごーい!面白い!」


ある日の昼休み。
あまりにもカオリさんが私の恋愛事情について聞いてくるのでついに私はとある喫茶店でカオリさんとランチを食べながら夢についてカミングアウトした。

最初は引かれると思っておどおどしながら話した私だったがこの目を輝かせているカオリさんのリアクションを見る限り引かれてはいないようだ。

むしろ興味深々である。


「まぁ、面白い話ですよね」

「そこら辺のドラマや漫画より面白い話よ!」


カオリさんのリアクションに対してうんうんと頷いていると興奮気味でカオリさんがそう言う。
私もそう思います。

夢の中ではなく、現実であの夢のことを考えれば当事者の私でもこれはドラマか?と思えるくらいよくできた話だと思う。

権力も魔術の力もある完全無欠の美女が美しい男を3人も軟禁して愛を強要させている。
そしてこの美女ただの悪女ではなく、きちんと悪女になってしまった背景もある。唯一1人だけ家族の誰からも愛されてこなかったからこそ彼女は愛に飢えているのだ。
たかが夢のはずなのに細かい設定までよくできている。
夢ならばただの男好き、彼らもただの恋人たちでもよかっただろうに。

私、実は凝り性なのかな?


「エマちゃんと恋人たちの難しい関係の今後が気になるわ!甘い話も素敵だけど恋人たちの本当の想いは?エマちゃんの偽りでもいいと欲した愛の結末は?」


夢のことを1人で考えていると変わらず興奮しているカオリさんが水を一気に飲み干した後、私に再び問い詰めてきた。