カオリさんの誤解をなんとか解いた後、またいつものように仕事をして、今日も何事もなく1日を終えた。

そして1日の中で一番楽しみな睡眠の時間がやってきた。
私は布団の中に入って瞳を閉じる。


ああ、今日はどんな甘い夢が待っているのかな。


夢で今日も会えるであろう恋人たちのことを思いながら私は意識を手放した。



*****



「エマ?」

「…っ」


夢で意識が覚醒する。私の目の前には不思議そうに私を見つめるリアムの姿があった。

リアムの後ろに広がるのはそれはそれは美しい花たちの園。
リアムは白い2人がけの可愛らしいベンチに座っており、私もその隣にピッタリとくっついて座っていた。
リアムから視線を逸らして前を見れば机があり、そこには私好みの様々なお菓子とティーセット。

視覚だけの情報からここはこの宮殿自慢の中庭で、今はリアムと2人でお茶会をしていた、と何となく状況を理解した。


「急に黙ってどうしたんだい?」

「あ、いえ、アナタの美しさに見惚れていたのよ」

「ふふ、エマ」


どう考えても様子がおかしい私を不思議そうにリアムが見てきたので私は妖艶に微笑んでリアムの頬に触れた。
するとリアムは嫌な顔をせず、むしろ嬉しそうに微笑み自分の頬に触れる私の手に優しく触れた。


「嬉しいよ。キスをしても?」

「ええ」


そしてリアムは懇願するように私を見つめてきたのでそれを私は許した。
触れるだけの甘酸っぱいキスをリアムが私に落とす。