リリリリリリリッ!とけたたましい目覚ましの音が鳴る。
そして私はいつものように目を覚ました。
「ん…」
布団からすぐに出て体を伸ばす。それからカーテンをシャーっと勢いよく開けて朝日を浴びた。
今日もとても体が軽い。
あんな夢を見ているが、どうらや体はしっかり休めているようで寝足りないことも体が重いこともない。
私自身は全然寝ている感覚なんてないので、おかしな感覚である。
毎日のことなので流れるようにテキパキと出勤の準備をする。顔を洗って、化粧をして、目に入った服を適当に着る。それからその間を縫うようにとりあえず前日に買っておいたパンを口に入れた。
夢の姫様な私とは大違いな朝。
優雅さもなければ、時間なんて当然ない。
まあ、それが普通なんだけどね。
準備を手早く済ませると私は一人暮らしのマンションの扉を開けた。
「いってきます」
そして誰もいない部屋に挨拶をして私は会社へ向かった。