君がすべてを忘れても、この恋だけは消えないように

 突然のことにちょっと驚いた私だったけれど、すぐに握り返す。

 そして私たちは、見つめ合って微笑んだ。


「あれから一年か。長かったような、短かったようなって感じ」

「私はやっぱり樹くんが眠っていた三日間が永遠のように感じたなあ……。でもその後は早かった。幸せな時間はきっと早く過ぎちゃうんだね」

「マジかー。長く感じられればいいのになあ。なんか不公平だよなあ。……でも、大丈夫」

「え?」

「だってこれから、あの三日間のことなんて一瞬に思えちゃうくらい。俺たちは長い時を一緒に過ごすんだよ」


 至近距離で私の瞳を見ながら、樹くんが断言した。

 その言葉が私の心の奥深くに刻み込まれる。


「うん……!」


 私は感極まって泣きそうになるのを堪えながら、強く頷いた。

 ――そうだね、樹くん。

 これからずっとずっと、大人になっても、おじいちゃんとおばあちゃんになっても。

 こうしてずっと、一緒にいようね。

 私は彼の手を今まで以上に強く握りながら、そう誓ったのだった。