友達すら居なかったから、全然知らなかったけど、人気が有るのは凄く分かる。



こんな私にも優しい綺麗な心の持ち主だし、かっこいい__



「あの顔は素敵〜!でも、私は大地先輩派!!正統派イケメンより、ヤンチャな子犬みたいな男の子が好き!!」



夏海がうっとりした表情で、話し出す。



「大地先輩も良いよね!花火大会では、イチゴ飴買ってくれたし、凄く優しい!でも、私は陸斗先輩派!!めちゃくちゃかっこいいんだもん!!」



ズキン__



夢が陸斗を好き。痛い程それが、伝わる。

なのに、私は陸斗を好きである態度さえ示す事が出来ない。

怖いんだ__



下手に陸斗に好きな気持ちをアピールして、振られる事が怖い。何より、今の関係が崩れるんじゃないかという恐怖で好きを示せない。



この日から、私には学校という狭い空間での【友達】という存在が出来たから、1人でポツンとする事も無くなった。