そこには、私だけの空間が広がっていてホッと溜息を漏らす事が出来た。



1人が嫌なんじゃない。

学校という集団の中で、ひとりぼっちの自分が惨めで悲しくなるんだ__



ああ。人目など全く気にならない程の、強い人間になれたら良いのに。



保健室の布団に潜り込むと、ポケットから小瓶を取り出し、こんぺいとうを口に放り込む。



甘い味が陸斗との、暖かい時間を思い出させてくれて、もう少し頑張れるような気分にさせてくれる。



苦しくない時間はあっという間に過ぎて、現在行われているハズの体育の授業の終わりを知らせるチャイムの音が響き渡る。



「意外とあっという間だったな……」



こんなにあっという間なら、もう少し耐えてみたら良かった。

いつも、授業が終わるとこんな風に後悔してしまう。



こんぺいとうの入った瓶を、ギュッと握り締めた後に、ポケットに直して保健室を後にする事を決心した。



保健室の扉を開いて1歩踏み出した瞬間、友達とじゃれ合っている陸斗と目がバッチリ目が合う。



「明日菜!!」



何故か、私に話し掛けて来てくれた陸斗。

それだけで、心が舞い上がってしまうから単純だ__