「ただの、こんぺいとうじゃないの……。私にいっぱいの勇気をくれる魔法のお菓子……」



恐る恐る有り難さを伝えると、陸斗の大きな手が、私の頭を撫でる。



「魔法のお菓子かぁ!そういや、明日菜ってお菓子みたいだよな!!」
「え、私がお菓子?」



初めて言われた__



「うん!色素薄くて、髪の毛ふわふわしていて優しいお菓子みたい!!」



自分自信に大きなコンプレッケスがあったが、甘くて美味しいお菓子に例えられるなんて嬉しい。



「ありがとう!」
「うん!じゃあ、俺は学校に行くな!」



陸斗が玄関を出てからも、頭に触れた手の優しさが忘れられずに、ボーッとしてしまう。


お菓子かあ__


本当にお菓子みたいな痛みさえ忘れる程、甘い女の子になりたいなんて思いながら、絵の具セットの入ったバッグにこんぺいとうを忍ばせると、学校に向かった。



教室に入ると、スケッチ大会の影響でか皆が浮かれているような気がする。



HRが始まって、1時間目の時間からスケッチ大会が始まった。


皆が仲間内で楽しそうに喋りながら、絵のモデルにする桜の木を探してウロウロし初める。


私はひとりぼっちでそれに続く。