あんだけ必要としていたこんぺいとうを、最近は必要としていない。



「こんぺいとう?」
「うん!こんぺいとうは、辛い気持ちを消す薬だったの!!」
「そうなんだ!」
「明日菜がこんぺいとうを必要としなくなったから、安心できるよ。つか、さ。前は常に辛そうな表情していたもんな。明日菜は、皆が居るから、笑ってられるんだよな……」



陸斗が微かに笑みを浮かべて、私の頭を撫でる。



「うん!私は、本当に皆に感謝している!」
「なんて言うか、明日菜ちゃんに必要とされているんだな……。って、思うと凄く嬉しい!」



幸せそうにはにかむ優真。

優真は友達が出来たのが、私が初めてだと言っていた。

だからこそ、必要とされている事が嬉しいのかも知れない。



誰にも必要とされず、見向きもされない事は辛いから__



「夏海、優真……。皆、ありがとう!!」
「俺からも、ありがとう。なんて、か。明日菜が笑うようになったから、凄く安心出来る」



そう言って、頭を下げる陸斗。


それから数分後に、夢と京が帰ってきた。

幸せそうな2人の姿を見るだけで、笑顔が溢れる。


今から辛い事も有るかも知れない__


でも、皆で乗り越えて行ける。