「とにかく、この2人は普段と同じように授業を受ける。だからみんなも、授業中は手出ししないようにな」
『授業中は』という言葉に体が震えた。
じゃあそれ以外の時間はどうなの?
人権を失っているから、なにをしてもいいってこと?
あたしたちが日常を過ごせる時間は、授業中だけってこと?
質問したいことは沢山あった。
だけど聞けない。
そんなことを聞けば休憩中はなにをしてもいいのだと思われてしまう。
だから黙っているしかない。
そしてホームルームは終わった。
いつもならすぐに近づいてくるエリカが近づいてこない。
聡介のまわりにも友人たちは誰も近づいていない。
けれど話声だけは確かに聞こえてきている。
「人権を剥奪されたってことだよね?」
「殺してもいいってこと?」
「そうだけど。まさかそんなことしないでしょ」
「しないけど。人を殺しても罪にならないってすごいよね」
みんなが興味を持っているのが痛いほどに伝わってくる。
エリカへ視線を向けてみると、一瞬視線がぶつかった。
エリカは何か言いたそうに口を開いたけれど、結局何も言わないまま閉じて、視線をそらしてしまった。
『授業中は』という言葉に体が震えた。
じゃあそれ以外の時間はどうなの?
人権を失っているから、なにをしてもいいってこと?
あたしたちが日常を過ごせる時間は、授業中だけってこと?
質問したいことは沢山あった。
だけど聞けない。
そんなことを聞けば休憩中はなにをしてもいいのだと思われてしまう。
だから黙っているしかない。
そしてホームルームは終わった。
いつもならすぐに近づいてくるエリカが近づいてこない。
聡介のまわりにも友人たちは誰も近づいていない。
けれど話声だけは確かに聞こえてきている。
「人権を剥奪されたってことだよね?」
「殺してもいいってこと?」
「そうだけど。まさかそんなことしないでしょ」
「しないけど。人を殺しても罪にならないってすごいよね」
みんなが興味を持っているのが痛いほどに伝わってくる。
エリカへ視線を向けてみると、一瞬視線がぶつかった。
エリカは何か言いたそうに口を開いたけれど、結局何も言わないまま閉じて、視線をそらしてしまった。