チラリと目だけで聡介を見てみると、聡介もあたしと同じでジッとうつむき机を睨みつけている。
そしてついに……。
「次に、北上恵美と河南聡介だ」
よりによって最後にまとめて呼ばれるなんて……!
一瞬にして教室がざわめいた。
あたしは顔を上げることができなくて膝の上に作った拳を見つめる。
手の平にはジットリと汗が滲んでいて気持ちが悪い。
「嘘でしょあの2人が?」
「なんで? あの2人って付き合ってるんだよね?」
「ランダムじゃなかったのかよ」
教室のあちこちで声が聞こえてくるけれど、そのどれもに返事はできなかった。
「みんな静かに! こんな偶然があるんだな。先生も驚いたよ。だけどこれはただの偶然だ」
ただの偶然……。
そう。
あたしも聡介も偶然選ばれただけ。
偶然選ばれたから、人権を剥奪されただけ……。
やり場のない気持ちに下唇をかみ締める。
そしてついに……。
「次に、北上恵美と河南聡介だ」
よりによって最後にまとめて呼ばれるなんて……!
一瞬にして教室がざわめいた。
あたしは顔を上げることができなくて膝の上に作った拳を見つめる。
手の平にはジットリと汗が滲んでいて気持ちが悪い。
「嘘でしょあの2人が?」
「なんで? あの2人って付き合ってるんだよね?」
「ランダムじゃなかったのかよ」
教室のあちこちで声が聞こえてくるけれど、そのどれもに返事はできなかった。
「みんな静かに! こんな偶然があるんだな。先生も驚いたよ。だけどこれはただの偶然だ」
ただの偶然……。
そう。
あたしも聡介も偶然選ばれただけ。
偶然選ばれたから、人権を剥奪されただけ……。
やり場のない気持ちに下唇をかみ締める。