あたしの腕の中でまるで夢を見るように目を閉じる。


「あ~あ、死んじゃったね。人間ってさ病気じゃなくてももろいよね。どうして俺だけって思うこともあったけど、違うんだ。全員同じ。すぐに死ぬ」


旬はそう言い、おかしそうにケタケタと笑う。


あたしは旬を睨みあげた。


怒りで頭がどうにかなってしまいそうだった。


友人たちも、新まで殺したのはこの男だ。


いくら病気だったからと言っても、許せる相手じゃない。


「この空間はお前が作り出したのか」


和樹の質問に旬は教室内を見回した。


「そんなわけないじゃん。こんな異質な空間人間が作れると思う?」


「それなら、誰がつくったっていうの!?」


「今の話を聞いてたんだからわかるだろ? 新だよ」


あたしはその言葉にたじろいだ。


最初に旬を見た時に新の仕業だと思ったが、やはりこの空間は新の作ったものであっていたのだろうか。


「新は俺を恨んでいる。それに、君たちのことがとても好きだ。俺たち全員をここへ閉じ込めることで、俺への復讐もできるし、友達をあの世に連れていくこともできる。新はきっとそう考えたんだろうな」