次に目が覚めた時、俺は病院のベッドの上だった。


ピッピッと小さな機械音が聞こえてくるから首を曲げて確認してみると、ベッドの横にはいろんな機械が設置されていた。


それが自分の心音や酸素量などを示しているものだとは、わからなかった。


『旬、気分はどう?』


ぼんやりとしていると隣りから声が聞こえてきて視線を向けた。


そこには両親の姿があって、2人とも目が真っ赤に充血していた。


『お母さん、お父さん……』


声がかれていてまるで自分のものじゃないみたいだ。


それに口には大きなマスクが付けられているみたいで、話しづらい。


『よかった。大丈夫そうね』


お母さんは俺の手を両手で包みこんで言った。


その目からポロッと一粒の涙がこぼれた。


それを見てもしかして2人とも沢山泣いたから、目がウサギみたいに赤くなってるのかな? と、気がついた。


そして泣いた理由はきっと自分にあるのだということも。


それから病室に白衣を着た先生がやってきて、俺の様子を確認した。