俺の名前は森戸旬(モリト シュン)。


誕生日は7月3日の午前3時5分。


それから4分ほど遅れて新が生まれた。


そう、俺たちは一卵性の双子なんだ。


遊ぶことも学ぶこともずっとずっと新と一緒だった。


たった4分差で生まれた弟だから『お兄ちゃん』と呼ばれることがなんだかくすぐったくて、俺たちはお互いのことを名前で呼び合っていた。


幼稚園も同じ、小学校も同じ。


『黒いランドセルがいい!』


売り場で新がそう言うから、俺も『黒がいい!』と、両親にねだった。


どこへ行くのも一緒。


服も靴も一緒。


2人で外へ出れば可愛い可愛いとはやしたてられて、それが嬉しかった。


これからもきっとそう。


小学校に上がったからって俺たちの関係は変わらない。


だって双子だから。


他の誰よりも繋がっていると感じられるから。


『明日から小学校だね』


すでに電気が消えた部屋の中。


隣りの布団から新が声をかけてきた。