安堵しそうになったのもつかの間、新に似た人物がモップを振り上げたのが見えた。
その先には若菜がいる。
若菜は必死にモップを握り締めているけれど、体は小さく震えている。
あんなんじゃ攻撃を防ぐことはできない!
そう思った時、和樹が包丁を相手へと突きつけていた。
月の光に輝く包丁に新に似た人物が動きを止めた。
ねめつけるように和樹に視線を向ける。
「モップを下せ」
和樹からの命令に新たに似た人物はしぶしぶモップを床に落とした。
カランッと虚しい音が響く。
あたしはしゃがみ込んでそのモップを握り締めた。
これで相手は丸腰だ。
「どうしてお前は包丁を持ってた?」
和樹からの質問に、相手は『お前だってわかっているだろう』と言いたげな笑みを浮かべた。
そしてポケットから鍵を取り出したのだ。
それはあたしたちが探していた調理質と木工教室の鍵で間違いなかった。
やっぱり、こいつが武器を持ち出した後、鍵をかけたみたいだ。
お陰でこっちはろくな武器が手に入らず、逃げ惑うはめになってしまった。
武器さえあればとっくに終わっていたかもしれないのに。
死者も増えずにいたかもしれないのに。
そう思い、ギリッと奥歯を噛みしめた。
「あんたは誰? 目的は!?」
あたしの言葉に、男はゆっくりと話をはじめた……。
その先には若菜がいる。
若菜は必死にモップを握り締めているけれど、体は小さく震えている。
あんなんじゃ攻撃を防ぐことはできない!
そう思った時、和樹が包丁を相手へと突きつけていた。
月の光に輝く包丁に新に似た人物が動きを止めた。
ねめつけるように和樹に視線を向ける。
「モップを下せ」
和樹からの命令に新たに似た人物はしぶしぶモップを床に落とした。
カランッと虚しい音が響く。
あたしはしゃがみ込んでそのモップを握り締めた。
これで相手は丸腰だ。
「どうしてお前は包丁を持ってた?」
和樹からの質問に、相手は『お前だってわかっているだろう』と言いたげな笑みを浮かべた。
そしてポケットから鍵を取り出したのだ。
それはあたしたちが探していた調理質と木工教室の鍵で間違いなかった。
やっぱり、こいつが武器を持ち出した後、鍵をかけたみたいだ。
お陰でこっちはろくな武器が手に入らず、逃げ惑うはめになってしまった。
武器さえあればとっくに終わっていたかもしれないのに。
死者も増えずにいたかもしれないのに。
そう思い、ギリッと奥歯を噛みしめた。
「あんたは誰? 目的は!?」
あたしの言葉に、男はゆっくりと話をはじめた……。