* こうして俺は、御上綺梨との接触に成功し、今では彼氏の座につけた。 でも時々、思うことがある。 「綺梨ちゃん、俺の体が目当てなんでしょ」 アイス片手に俺が食べるのを待っている綺梨ちゃんを見つめれば、形のいい唇がきゅっと上がる。 「全部目当てだよ」 「え、」 「体も、心も、ウブっぽさも」 「待って最後のなにやだ」 ウブっぽさとか絶対いらないし、そんなのほしくない。だけど綺梨ちゃんが不満げにアイスを俺の唇に押し当ててくる。