闇の夜に咲く、一輪の華

「…!華月、あのなぁ?俺も一応男なんだけど?」
ほら、完全に男として見られていない。


「そんなの知ってるよ〜、今更何言ってるの?」

「男に部屋の暗証番号教えて、勝手にベットに入られて、それで自分から抱きついて…襲われても何も文句言えねぇぞ?」

こんなこと今襲おうとしてる本人が言っても無駄だろうか。女として見てないなんて、戦友として同志としてしか見てないなんて嘘だ。

あの時からずっと好き…なのかもしれない。


「…何言ってるの、零夜。笑っちゃうんだけど!私より強い男とか数え切れる程しかいないと思うけど?それに近くにいるそんな男って、零夜しかいないけど?」

「だからその『零夜』が危ないんだよ。」
俺は何言ってるんだろうか。
本当はこの関係を壊したくないのに、気づいて欲しくないはずなのに、どうしてか華月に全てを明かしたい気がする。

「何自分でわけ分からないこと言ってるの?零夜がそんなことするわけないでしょ?」

あまりにも煽られて限界に達した俺は、華月の手を振り払い、上に覆い被さるようにする。

「…零夜?」
普段とは違う様子の俺に驚いている、華月。

「俺以外の男に暗証番号教えるなよ。」
そう言って華月の透き通るような頬にキスをした。

俺はこんなことしてなにがしたいんだ?
そう自分に問いかけながらゆっくり唇を離した。


「じゃあ、屋敷の前に立ってるから、準備終わったら来いよ。」

「…俺、何やってるんだろう。」
そう呟いた声は誰にも届かない。