闇の夜に咲く、一輪の華

ピッピッピッピッ。
俺は華月の部屋のロックを解除した。華月はずっと番号を変えていない。

『1013』俺の誕生日だ。

余程疲れが溜まっていたのか、華月はロックを解除しても起きてこなかった。
それをいいことに俺は華月のベットに忍び込んだ。

『crystal』特注のこのベットは二人で寝ても、随分と余裕がある。

スヤスヤと寝息をたてながら寝ている華月の髪を撫でる。
俺は華月の髪が大好きだ。







「…ずっと前から好きだって言ったらどんな反応するのかな…」
なんて呟いてみたけれど、この声は誰にも届かない。


華月は俺の事を許婚としか思っていないだろう。あるいは友達だろうか。
いずれにせよ、俺の事を男として意識したことがないということは、普段の態度からわかる。

将来結婚が決まっていることに対しては素直に喜べなかった。

第一いきなり結婚だなんて、一切想像がつかない。
それに華月の意思を無視しているような気がして、あまり気が乗らない。


だからといって、告白でもして今の関係が崩れれば、俺たち二人だけではなくて組全体の問題になるだろう。

それは避けなければならないし、俺には華月に告白する勇気なんてない。

「……んんっ…んん…」
先程まで仰向けで寝ていた華月は寝返りをうってこちら側に振り返る。

華月は心が休まる瞬間っていうのは寝ている時ぐらいしかないのかもしれないな。と思いつつも、華月の髪を撫で続ける。